松木玖生と塩貝健人がA代表初ゴール、第3次森保ジャパンがウルグアイに3-1で白星発進

レビュー担当: 山本拓也
概要

日本代表は2026年9月24日、ウルグアイに3-1で勝利。松木玖生と塩貝健人がA代表初ゴールを記録し、第3次森保ジャパンが白星発進した。

1 分で読めます

日本代表は2026年9月24日、キリンチャレンジカップでウルグアイ代表とキューアンドエースタジアムみやぎ(宮城県)で対戦し、3-1で勝利した。初招集でA代表デビューを果たしたMF松木玖生(サウサンプトン)が前半11分に先制ゴールを決め、後半アディショナルタイムにはFW塩貝健人(ボルフスブルク)の劇的な決勝弾とFW上田綺世(リール)の追加点が続き、森保一監督にとって北中米ワールドカップ後、3期目となる新体制の初陣を白星で飾った。

この試合はキリンチャレンジカップとして開催され、森保監督は来年1〜2月のAFCアジアカップまで指揮を執ることが決まっている。試合後のフラッシュインタビューで森保監督は「選手たちが、これから自分たちが目指すべきことにチャレンジしてくれた」と振り返り、「初出場で初ゴールの玖生であったり、初ゴールの健人であったり、ゴールを取る、結果を出すという、若手らしいギラギラしたところ見せてくれて良かった」と若手選手の活躍を評価した。

試合の流れ:松木の鮮烈デビュー弾とウルグアイの同点弾

この一戦の核心を一言でまとめるなら、初招集の23歳MF松木玖生が代表デビュー戦でスーパーゴールを決めて試合の主導権を握り、南米の強豪ウルグアイが同点に追いついたものの、途中出場の21歳FW塩貝健人が後半アディショナルタイム1分に劇的な決勝点を挙げ、エースの上田綺世が駆け付けの一撃でとどめを刺した、という展開だった。

森保監督は北中米ワールドカップ後の新体制でも3-4-2-1の布陣を継続し、GK早川友基(鹿島)、3バックには左からDF伊藤洋輝、DF板倉滉、DF瀬古歩夢というワールドカップメンバーを並べた。ボランチにはMF佐野海舟とMF佐野航大の兄弟コンビを起用し、ウイングバックは左にMF中村敬斗、右には初招集の松木を先発で抜擢。シャドーは左にMF鈴木唯人、右にゲームキャプテンのMF堂安律が入り、1トップはFW前田大然が務めた。

試合開始直後はウルグアイが持ち味を発揮する場面もあり、前半2分には相手のロングボールを起点にチャンスを作られたが、鈴木唯人が体を張ってブロック。同7分にもMFブライアン・ロドリゲスに際どいシュートを許したが、わずかに枠を外れた。

そして前半11分、試合の流れを変える一撃が生まれる。左サイドでプレッシャーを受けた中村敬斗が大きく右サイドへ展開すると、高い位置に攻め上がっていた松木が胸トラップで収め、鋭いカットインから左足でミドルシュートを放った。ボールはゴール左隅に突き刺さり、日本が先制に成功した。

この場面について松木は試合後、「逆サイドにボールがあるときに自分のサイドが結構オープンで、(佐野)航大からも2本ぐらいあって、どこかで仕掛けたいなと思っていた」と振り返り、「カットインしたときにシュートのイメージがあった。そこはサウサンプトンで毎日練習していることが試合に結びついて良かった」と語った。A代表デビュー戦でのゴールは、2025年7月のEAFF E-1選手権でMF中村草太が決めて以来、日本代表史上40人目という記録でもあった。

23歳の松木は「ゴールできたことはうれしいけど、初出場の中で先輩たちがみんな『お前ならできる』と言ってくれていた」と明かし、「それが自分の心の支えになったし、ゴールという形で恩返しできて良かった」と感謝の言葉を口にした。もっとも本人は得点以外の出来には手放しでは満足しておらず、「インパクトは残せたと思うけど、それ以外のところはまだまだだ」と、あと3試合残る9月・10月シリーズでのさらなるアピールを誓った。

早川友基、A代表5試合目で初失点を喫す

先制した日本だったが、前半のうちにウルグアイに追いつかれる。前半39分にはDFナイタン・ナンデスのクロスをMFマクシミリアーノ・アラウホに合わせられたが、GK早川友基が胸でセーブ。こぼれ球へのDFファン・サナブリアのシュートも早川が止め、決定機を凌いでいた。

しかし前半43分、早川のゴールキックがMF佐野海舟にうまくつながらず、日本が自陣でボールを奪われるとウルグアイの攻勢が再開。MFロドリゴ・ベンタンクールの縦パスを受けたFWフェデリコ・ビニャスのシュートを早川が足でどうにか防いだものの、跳ね返りを拾ったロドリゲスに角度のないところからゴール右上へ決められ、1-1の同点となった。

この失点は、2025年7月のEAFF E-1選手権・中国戦で先発A代表デビューを果たして以来、同年11月のガーナ戦、ボリビア戦、そして2026年5月のアイスランド戦と4試合連続無失点だった早川にとって、通算5試合目にして初めてA代表で喫した失点だった。試合後、早川は「もっとやれた部分もあると思う」と率直に自己評価し、ゴールキックの場面については「そもそも海舟との意図が合っていなかった。自分はスペースに出して、ワンタッチでCBにやるということだったけど、海舟も相手を背負っていたので、そこの部分でもうちょっと違ったボールをつけてあげたほうが良かった」と説明した。

「時間帯も時間帯で自分も見えていなかった。プレーの選択はもっと質を上げていきたい」と課題を語った早川は、失点シーンで見せたビニャスへのスーパーセーブについても「(ロドリゲスが中に)折り返してくるかなと思って、自分も先に準備し過ぎてしまった。あそこに飛んでくるとは思わなかったので、自分のプレーの幅を広げたいと思った」と振り返り、南米の強豪との対戦を新たな刺激として受け止めた様子を見せた。

「代表の試合をするたびにこれを言っているかもしれないけどもう一回試合をしたい」と闘志をにじませた早川は、「こういうところで経験したものは日常が大事になるし、次に出る時にこの景色を忘れずにイメージした上でプレーをできれば、また次のステップに行けるかなと思う」と次戦以降を見据えた。

日本代表選手が劇的な決勝ゴールを喜ぶ様子、宮城のナイトゲームで観客が沸く

塩貝健人が90+1分の劇的決勝弾、代表初ゴールに込めた思い

1-1のまま後半に入ると、森保監督は積極的な選手交代でゲームを動かしにかかった。後半開始と同時にMF佐野航大に代えてMF鎌田大地を投入すると、後半19分には板倉滉、松木玖生、堂安律、前田大然を下げてDF鈴木淳之介、MF伊東純也、MF久保建英、FW上田綺世という4枚替えを敢行。さらに同32分にはMF相馬勇紀とMF田中碧、同38分には中村敬斗に代えてFW塩貝健人を投入し、最終盤には3バック以外の全ポジションが途中出場の選手で占められる布陣となった。

その采配が実ったのが、後半アディショナルタイム1分だった。鎌田のパスに抜け出した塩貝は一度強引なドリブル突破を試みてボールを失ったが、日本の組織的なプレスですぐに奪い返すと、上田のパスから再びゴール前に侵入。GKとの1対1を制し、右足シュートで劇的な勝ち越しゴールを決めた。ドイツ・ボルフスブルクでゴールから遠ざかっていた塩貝にとって、これがA代表初ゴールとなった。

塩貝は試合後、「もう点取ることを意識していた。あそこにスペースを作って、綺世くんがフリーでもう一回もらえた。綺世くんがよく見ていてくれたので良かった」と決勝点の場面を振り返った。ゴール後には人差し指を口に当てる意味深なパフォーマンスを見せ、駆け寄ったMF久保建英やMF相馬勇紀にも笑顔を見せなかったことも話題を呼んだ。

この点への飢餓感について塩貝は「すごく日本の人から応援の声があるのも届いているし、W杯前から長い間期待をしてもらってなかなか点を取れていない中、サポートしてくれた日本のサポーターには感謝しかないけど、中には(ドイツ)2部でプレーしていること、今回の選出、W杯でのいろんなことがあって、僕自身にもいろんなメッセージが来て、僕もすごく悔しい思いをしながら日々を過ごしてきた」と胸中を明かした。

「僕のスタイル的になかなか結果が出ないと批判が多いのは分かるけど、それはトップトップに行くにはつきものだと思うし、僕はこのスタイルを変えるつもりはない」と持論を展開した塩貝は、「今日、6か月くらい点が取れていない状況で久しぶりに点が取れて、身体もメンタル的にも軽くなったし、今回のこの1点はすごい自分にとっても大きい1点になったと思う」と語った。

一方で試合後、コーチングスタッフやチームメートからは、パスを出さずにドリブルで単独突破を図った場面について厳しい指摘も受けたという。塩貝は「ゴールの前の2回、僕が受けたシーンでもっと簡単にやれた部分もあったと思うし、試合に出るためにはああいうところは改善していかないといけないポイントだと思う。名波さん(名波浩コーチ)、長谷部さん(長谷部誠コーチ)からもそこに関してはもっとシンプルにやってもいいんじゃないのという指示をもらえた」と明かし、「このゴールだけで満足することなく、しっかり改善できるように、まだ3試合あるのでどれだけチャンスはあるかは分からないけど、また違った部分も見せられれば」と今後を見据えた。

上田綺世が代表通算19点目、ダメ押しゴールで試合を締めくくる

塩貝の決勝点からさらに5分後、後半アディショナルタイム6分にはVARレビューによる中断を挟みながらも、日本がウルグアイの猛攻を耐え抜いてカウンターを発動。久保建英のボールキープからMF伊東純也がスルーパスを送ると、抜け出したFW上田綺世が飛び出してきたGKをかわして無人のゴールに流し込んだ。この得点は上田にとって代表通算19点目となった。

上田はフランス・リールで新シーズンを迎えており、代表チームでもエースストライカーとしての役割を担っている。森保監督はこの試合後、「綺世はしっかりストライカーとして、日本をけん引してくれているというところを結果で出してくれた」と評価した。

後半19分から途中出場した久保建英は、自らのプレーよりも松木と塩貝の活躍を饒舌に振り返った。松木については「持ってる側の人間だなと思いました。中村敬斗、小川航基の系統かなと」と評し、「ああやって守備もハードワークできて、一発持っていて、身体も強い。イングランドでもまれてすごく良い選手になっている。僕も何度か一緒にFC東京でトレーニングをしたけど、すごく良い選手で競争も激しくなるなと思いました」と称賛した。

塩貝の決勝弾については「面白いですよね。彼はすごく。決めれて良かったなと思います(笑)」と笑みを見せた久保は、パスを出さずに単独突破を図った場面について「それは言いましたよ(笑)。入ったからいいけど、あれは出さなきゃダメよって」と塩貝本人に伝えたことも明かした。それでも「みんなに言われてもおかしくない中で、ああやって自分で正解に持っていくのがストライカーとして大事なメンタリティだと思う」と、その強気な姿勢を評価する発言も残している。

ボランチ初先発の佐野航大、光と影が交錯した45分間

この試合で注目を集めたもう一つのポイントが、兄弟でボランチを組んだ佐野海舟と佐野航大(PSV)のコンビだった。2025年6月の北中米W杯最終予選インドネシア戦でA代表デビューを飾った航大にとって、この試合が通算3試合目。過去2試合はシャドーやインサイドハーフでの起用だったため、ダブルボランチでのプレーはこの日が初めてだった。

攻撃面では技術の高さを生かした素早いパスワークで存在感を示したが、守備では後手を踏む場面も目立ち、ハーフタイムでの途中交代となった。試合後、佐野航大は「チームも2枚(ダブルボランチ)でやっているのでやりやすさは感じているし、あそこの距離感が良ければシャドーに簡単に出せるので、前半が良かった時間はチームとして戦えたのはすごく感じている」と前向きな総括をしつつも、「まだまだ課題が残るような試合ではあるので、また見直して次につなげたい」と冷静に振り返った。

松木の先制ゴールにつながったサイドチェンジについても佐野航大が関与していた。同じ高体連出身で、高校時代には米子北高と青森山田高の10番として対戦した間柄でもある松木について、「玖生はあそこのコースがすごく上手いのは高校時代から知っていたので、持った瞬間に決めるとなんとなく感じていた。玖生が決めたことが本当に嬉しかったし、形としてもチームで求めているような形で得点できた」と喜びを語った。

なお森保監督はこの試合、コンディションへの配慮から代表合流日が早かった選手を優先的に先発させる方針を明言していたが、佐野航大とFW前田大然の2人だけはそのセオリーから外れ、帰国後2日目での先発起用となっていた。指揮官からの期待の大きさがうかがえる人選だった。

第3次森保ジャパンの布陣と背景

今回のウルグアイ戦は、北中米ワールドカップ終了後にスタートした「第3次森保ジャパン」の初陣だった。森保一監督は2026年ワールドカップ後も続投が決定し、来年1〜2月に開催されるAFCアジアカップ2027まで指揮を執ることが決まっている。今回のメンバー選考では、ワールドカップの主力を軸としながらも、松木玖生や塩貝健人のような若手・新戦力のテストに着手する姿勢が明確に示された。

この試合には日本のアジア大会代表など若い世代の活躍も重なっており、U-21日本代表がアジア大会で結果を残す動きとあわせて、次世代の台頭が日本サッカー界全体で加速している状況がうかがえる。またエースストライカーの上田綺世は、今夏にフェイエノールトからリールへ移籍したばかりで、新天地でのプレーが代表でのパフォーマンスにも好影響を与えている可能性がある。

試合データ:得点とスターティングメンバー

時間チーム得点者詳細
90+6分日本上田綺世伊東純也のスルーパスからGKをかわして流し込む(代表通算19点目)
90+1分日本塩貝健人上田綺世のパスからGKとの1対1を制する(A代表初ゴール)
42分ウルグアイブライアン・ロドリゲス早川友基のセーブのこぼれ球を角度のないところから決める
11分日本松木玖生中村敬斗のサイドチェンジからカットインし左足ミドル(A代表デビュー弾)

日本のスターティングメンバーは、GK早川友基、DF伊藤洋輝・板倉滉・瀬古歩夢(3バック)、MF中村敬斗・佐野海舟・佐野航大・松木玖生(4枚)、MF鈴木唯人・堂安律(2シャドー)、FW前田大然(1トップ)という3-4-2-1。後半には鎌田大地、鈴木淳之介、伊東純也、久保建英、上田綺世、相馬勇紀、田中碧、塩貝健人と、8人が途中出場した。

今後の日程:9月・10月シリーズは4連戦

日本代表にとって9月・10月シリーズは4試合が組まれている。ウルグアイ戦に続き、9月28日にベネズエラ代表(エディオンピースウイング広島)、10月1日にエクアドル代表(日産スタジアム)、そして10月5日にはパナマ代表またはニュージーランド代表(国立競技場)との対戦が予定されている。

森保監督は今後の戦いぶりについて、「より主導権を持ってボールをコントロールし、ボールを奪いに行くことはトライしなければいけないと思う。けど、世界は強いので、その中でも耐えながら日本らしく、我慢強く、最後までチーム一丸となって戦い抜き、勝利を収められるようにしていきたい」と意気込みを語った。

松木玖生や塩貝健人にとっては、この日の結果を一過性のものにせず、残り3試合でさらなるアピールを重ねられるかが今後の代表定着のカギとなる。一方、早川友基にとっては、A代表で初めて喫した失点を糧に、ビルドアップの質をどう改善していくかが次戦以降の注目点となりそうだ。第3次森保ジャパンは白星発進を果たしたものの、来年のアジアカップに向けてチームとしての完成度を高めていく作業は、ここから本格的に始まる。

Sources

Photo via Wikimedia Commons (Public domain)

シェアしよう
Kenji Sato, LifeBogger author

Kenji Sato

こんにちは!LifeBogger日本語版のライター、Kenji Satoです。サッカー選手の子供時代と半生を追いかけ、出自や家族、キャリア初期の歩みを調べています。スポットライトが当たるずっと前の物語こそ、その選手を最もよく語ってくれると考えています。

記事: 102

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です