森保ジャパン、ベネズエラ戦で大幅入れ替え 小久保玲央ブライアンらA代表デビューへ

レビュー担当: 山本拓也
概要

森保一監督が9月28日のベネズエラ戦で大幅ターンオーバーを明言。GK小久保玲央ブライアンら初キャップ候補の狙いと背景を詳報する。

1 分で読めます

日本代表のGK小久保玲央ブライアン(シントトロイデン)が9月28日、エディオンピースウイング広島で行われるキリンチャレンジカップ・ベネズエラ戦でA代表デビューを果たす可能性が高まっている。森保一監督は24日のウルグアイ戦(3-1で勝利)からメンバーを大幅に入れ替える方針を明言しており、初キャップ組や経験の浅い選手を数多く起用する見込みだ。

小久保は昨年11月に初招集されながら出番がなかった。今回、約10カ月ぶりの代表復帰でデビューの好機を迎え、「明日出るとなったら、それは緊張する。楽しみでしかない」と高揚感を口にした。パリ五輪世代の正守護神であるGK鈴木彩艶(シュツットガルト)とは、パリ五輪直前の2024年6月の米国遠征以来の代表活動での再会となる。

いつ、どこで、何が起きているのか

日本代表は9月28日、エディオンピースウイング広島でベネズエラ代表とキリンチャレンジカップで対戦する。24日にウルグアイと対戦し3-1で勝利した試合から中3日での一戦となる。森保監督はこのウルグアイ戦後、次のベネズエラ戦について「代表初キャップになる選手、経験の浅い選手たちをスタートで起用する」方針を明言しており、先発メンバーの大幅な入れ替えが確実視されている。

今回の活動は森保監督にとって「第3次森保ジャパン」の初陣にあたる。3カ月後に控えるAFCアジアカップ2027、そして4年後のワールドカップを見据え、新戦力の見極めが大きなテーマとなっている一戦だ。

“国防ブライアン”が待望のデビューへ

最も注目を集めているのが、GK小久保玲央ブライアンの初キャップだ。2000年生まれ、パリ五輪世代のGKである小久保は、U23アジアカップで驚異的なシュートストップを連発し、パリ五輪出場権獲得と優勝に大きく貢献した実績を持つ。パリ五輪本大会でもグループリーグを無失点で3連勝し、その名前にちなんで“国防”という愛称が生まれた。

「『国防』という名前を付けてもらったからにはしっかり国とゴールを守らないといけない。あだ名に恥じぬように頑張っていきたい」。小久保はそう決意を語った。現時点で鈴木彩がA代表の正守護神であることは変わらないが、「すごいライバルがいるけど、そこで負けずに、自分を応援してくれる人たちに恩返しできるように、スタメンの座を奪えるようにやっていきたい」と競争心をのぞかせた。

練習では鈴木彩や、同じくGKの早川友基(鹿島)からも刺激を受けているという。「(鈴木彩は)パワフルで、しっかりボールをキャッチする意識はすごいなと改めて感じた」「(早川は)足の運びがうまくて、シュート(のセーブ)範囲が広がっている」と語り、「シュートストップが自分の中で一番自信がある。近い距離も遠い距離も、明日出たらそこを見せられたら」と自信をのぞかせた。

“自分のホーム”でデビューを狙う中野就斗

本拠地・広島でのデビューという意味では、サンフレッチェ広島に所属するMF中野就斗(26)も特別な一戦を迎える。中野は今大会のベネズエラ戦で右ウイングバックでの先発起用が濃厚と伝えられており、実現すれば愛するエディオンピースウイング広島でのA代表デビューとなる。

「自分のホームだと思っているので。自分の力を最大限出してくれるスタジアムなので楽しみ」と中野。2000年生まれで2023年に桐蔭横浜大学から広島に加入した中野は、大学時代までセンターバックを主戦場としていたが、広島でウイングバックにコンバートされて以降、3年半でJリーグ通算130試合以上に出場してきた実績を持つ。第2次森保ジャパンでも代表候補に名前が挙がっていたが、今回が待望の初招集となった。

「試合に出るからには普通のプレーをするのではなく、ゴールだったり、アシストという目に見える結果にこだわりながらチームの勝利に貢献できれば」と意気込む中野は、合宿開始当初から同学年のMF中村敬斗(スタッド・ランス)やMF佐野海舟(マルセイユ)と練習後のランニングを共にするなど、ピッチ外でも積極的にチームに溶け込む姿勢を見せてきた。持ち味の対人の強さについては「1対1の強さ、攻守の推進力、アグレッシブさは自分の武器だし、自分の存在価値だと思う」とし、「自分の120%の力を出せれば通用すると思う」と自信をのぞかせている。

欧州組・田中聡は“凱旋試合”に懸ける

ボランチのポジションでも先発の可能性が浮上しているのがMF田中聡(シャルケ)だ。田中は2025年7月のE-1選手権でA代表初招集を受け、第2戦の中国戦で先発デビューを飾ったが、その後は招集歴がなく、今回が約1年2カ月ぶりの代表復帰。海外組を含めたフルメンバーでの代表活動には今回が初参加となる。

田中は昨年12月に広島からドイツ2部のデュッセルドルフに移籍し、今季は1部昇格を果たしたシャルケに完全移籍した。第2節のバイエルン戦で先発デビューを果たし、0-0の引き分けに持ち込む活躍が今回の代表復帰につながったという。「緊張はしますね。普段ずっと代表でやっている選手は関係性ができているし、国外でやっている選手はクオリティーが高い。劣りはするのは当たり前なので、その中でどれだけ自分のパフォーマンスを出せるかが大事。自分の色を出したい」と田中。古巣・広島での一戦を前に「広島にこういう形で帰ってこれてうれしいし、広島のおかげで今の自分があると思うので、成長した姿を少しでも出せたら」と誓った。

相馬勇紀に“4年ぶりの直接FK弾”のチャンス

24日のウルグアイ戦で後半32分から左ウイングバックとして途中出場したMF相馬勇紀(FC町田ゼルビア)にも、先発出場のチャンスがめぐってきそうだ。日本代表は2022年7月19日のE-1選手権・香港戦で相馬が決めたゴールを最後に、約4年間にわたって直接フリーキックによる得点がない。26日の全体練習後にはMF齋藤俊輔、MF佐藤龍之介とともに中村俊輔コーチから居残りでFK指導を受ける姿もあった。

相馬は中村俊輔コーチとの練習について「特別指導を受けたというよりは感覚をつかんでおこうという感じだった」としながらも、「(直接FKは)プロに入ってからもそうだし、ゼルビアでもゴールという形で結構取れている」と明かし、「そこは自分の武器でもあるので、自信を持って蹴りたい」と意気込んだ。

森保ジャパンの主力世代の一角を担うMF伊東純也(ゲンク)についても出場の可能性がある。伊東はウルグアイ戦に途中出場して劇的勝利に貢献しており、チーム最年長として今回のターンオーバーの意義を語った。「メンバーをガラッと変えるとどんな試合も難しくなるし、簡単な試合はない。なるべくコミュニケーションを取ってやっていくことが大事だと思う」と伊東。この発言の背景には、2025年9月の米国遠征でのアメリカ戦の経験がある。当時はメキシコ戦から先発総入れ替えが行われ、DF望月ヘンリー海輝やMF佐野海舟ら経験の浅い選手を多く起用した結果、0-2で敗れていた。

伊東は自身が2018年夏発足の第1次森保ジャパンで控えからスタートし、初陣のコスタリカ戦で後半途中出場からA代表初ゴールを挙げ、続くパナマ戦の先発でも得点を記録した経験を踏まえ、「自分も最初に入ってきた時は5分か10分かというところでゴールを決めて定着できたのがある。どんな時間で出ても結果を出すことが新しい選手は大事になってくる」と若手選手の台頭に期待を寄せた。

Japan national team goalkeeper making a diving save in a floodlit stadium

対戦相手ベネズエラの布陣と指揮官の狙い

対戦相手のベネズエラ代表も27日、試合会場のエディオンピースウイング広島で公式練習を行い、練習後にオスワルド・ビスカロンド監督が公式会見に臨んだ。「明日の試合は我々にとって貴重なパラメーターになる。日本はワールドカップに出場した国。新しい選手に出場機会を与える良い機会になると思う」と、この一戦を若手の力を測る機会と位置付けた。

ビスカロンド監督はU-17ベネズエラ代表監督として2025年のU-17ワールドカップに出場し、グループリーグでイングランドに3-0で勝利するなどベスト32進出に導いた指揮官。今回の来日メンバーには2005年生まれ以降のロサンゼルス五輪世代を8人招集しており、U-17ワールドカップのメンバー3人も含まれている。「若い選手たちに出場機会を与えたいと思っている。長期的にだけでなく、短期的に代表チームに貢献してくれたらうれしい」と語った。

ビスカロンド監督は選手時代の2014年9月9日、日産スタジアムで行われたキリンチャレンジカップにベネズエラ代表として出場し、日本と2-2で引き分けた経験を持つ。2024年6月のU-16インターナショナルドリームカップでは指揮官として来日し、このときは日本に0-4で敗れている。「現役時代、選手として3回、日本で戦ったことがあるし、U-17ベネズエラ代表の監督として日本、セネガル、ウクライナが出場したトーナメントを戦ったこともある」とし、「日本には良い思い出がたくさんある」と語った。

ここまでの経緯:キリンチャレンジカップ2試合の流れ

  • 9月24日:日本代表がウルグアイ代表と対戦し3-1で勝利。この試合でMF松木玖生がA代表初ゴールを記録するなど、新戦力の活躍も見られた。
  • 9月26日:全体練習後、MF相馬勇紀、MF齋藤俊輔、MF佐藤龍之介が中村俊輔コーチからフリーキックの居残り指導を受ける。
  • 9月27日:対戦相手のベネズエラ代表がエディオンピースウイング広島で公式練習を実施。オスワルド・ビスカロンド監督が会見に出席し、若手起用の方針を説明。
  • 9月28日:日本代表とベネズエラ代表がエディオンピースウイング広島でキリンチャレンジカップの一戦を行う。森保一監督は大幅なメンバー入れ替えを明言している。

比較で見る:2試合の先発メンバー方針の違い

項目9月24日 ウルグアイ戦9月28日 ベネズエラ戦(予定)
結果3-1で勝利未実施
起用方針主力中心の編成初キャップ・経験の浅い選手を中心に起用
GKの起用主力GKが出場小久保玲央ブライアンの初先発が濃厚
注目の新戦力MF松木玖生がA代表初ゴール中野就斗、田中聡らが初先発の可能性

この大幅ターンオーバーの背景には、2025年9月の米国遠征でのアメリカ戦(0-2で敗戦)という前例がある。当時は先発総入れ替えによってチームとしての連係構築が課題となり、伊東純也が「コミュニケーションのところが足りなかった」と振り返るような苦戦を強いられた。今回のベネズエラ戦は、その教訓を踏まえたうえでの新戦力起用となる点が注目される。

今回のキリンチャレンジカップでの新戦力起用は、24日のウルグアイ戦で第3次森保ジャパンが白星発進を飾り、MF松木玖生とMF塩貝健人がA代表初ゴールを記録した流れを引き継ぐ形となっている。センターバック陣ではDF板倉滉が左足首を負傷し全体練習を欠席するなど、守備陣の編成にも影響が出ている状況で、森保監督がベネズエラ戦でどのような最終ラインを組むかも焦点の一つとなっている。

今後の見通し:アジア杯とワールドカップへの布石

今回のベネズエラ戦は、3カ月後に迫るAFCアジアカップ2027、そして4年後のワールドカップへ向けた新戦力選抜の意味合いが強い一戦だ。それでも中野就斗は「自分みたいな選手は次のワールドカップに向かってやるよりも、目の前のことに最大限力を出すこと。先のことよりは目の前の試合、明日の試合で自分の力を最大限に出せるように頑張りたい」と、目先の一戦に集中する姿勢を強調している。

小久保、中野、田中という3人の“初先発候補”に加え、相馬の直接FK、そして伊東ら経験者によるサポート体制が、大幅ターンオーバーの中でどう機能するかが試合の見どころとなる。キックオフの詳細な先発メンバーは試合直前に発表される見通しで、複数の新戦力がどのようにA代表デビューを飾るか、広島のホームサポーターの前での結果が注目される。

試合の詳細な経緯や公式会見の内容はゲキサカの報道、およびビスカロンド監督の会見記事、中野就斗のインタビュー記事で確認できる。

Sources

シェアしよう
Kenji Sato, LifeBogger author

Kenji Sato

こんにちは!LifeBogger日本語版のライター、Kenji Satoです。サッカー選手の子供時代と半生を追いかけ、出自や家族、キャリア初期の歩みを調べています。スポットライトが当たるずっと前の物語こそ、その選手を最もよく語ってくれると考えています。

記事: 106

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です